ユーザ指向の料金設定
メーカが製品やサービスの価格を決定する際に、原価から積算し利益を乗せて、販売価格を決めるやり方と、先に販売価格を決定して、その値段を実現するために原価を抑える努力をして、ギリギリの利益を出すやり方があります。どちらが優れているというわけではなく、売る物の性質や競合の有無、販売規模などにより、柔軟の価格が決定されているということです。
一方、販売店は、その製品やサービスが市場でどれぐらいで売れるのかが、唯一の物差しで、 物の値段は市場に決定づけられると言っても過言ではないでしょう。
では、駐車場の利用料はどのように決めれば、より利益を上げることができるのでしょうか。
これまでは、「近隣駐車場の価格に合わせる」というのが一般的でしょう。そして、近隣価格=自駐車場価格となることで、想定される稼働率から、その駐車場の年間の利益が算出されるのかと存じます。
しかし、こういった受動的な経営方針では、利益が伸びない、利益が固定してしまった、成長性のあまりない ビジネスとなってしまいます。
ユーザの指向を探るマーケティング
固定化させることなく、利益を最大化するためには、駐車場ユーザがどのような指向性を持って利用しているかというマーケティングが欠かせません。
まず、その駐車場立地環境によって、ユーザの層は劇的に変化することを認識すべきです。その上で、ユーザの具体的な像を洗い出すことが重要です。郊外の駅前にあって、通勤客の日中利用が多いのなら、そのユーザがいくつもある近隣駐車場から、 なぜ自駐車場を選択したかの理由を知ることが大切です。
その理由が、「再最寄りの同価格の駐車場だと信号があるため、混雑に巻き込まれやすいから」 だとしたら、駅からの近さが価格決定要因としては低いことがわかります。
単純に、「近隣がこの値段なら、うちはこれぐらいかな」という感覚的な価格決定ではなく、マーケティングを行った上での、価格競争力を持たせることが重要です。
埋めるための料金設定
30台のキャパシティを持った月極駐車場があるとします。この月極駐車場の稼働率は8割だったとします。利用料を2万円とすると、30台×0.8×20,000円=480,000円/月の利益が見込めます。
これを次のようにしてみましょう。利用料を18,000円に下げる一方、稼働率を10割にできたとしたら、30台×1.0×18,000円=540,000円。
ユーザからしてみると、20,000円が10%も安い18,000円になるとすごく安くなったと感じますから、常に待機車がいるような状況になります。であるにもかかわらず、オーナの利益は12.5%もアップしているのです!
つまり、マーケティングの最大のテーマは、常に待機車がいる状態を作り出す価格設定が重要だと言うことがおわかり頂けることと存じます。
